東北大学ボート艇庫
自然と対話し 仲間と交流し 漕艇と向き合うための場
軽量鉄骨造の採用
コスト・工事工期が厳しいこと、数年から十年程度の暫定的利用であることに配慮し、軽量鉄骨造を採用しました。施工単価を抑えた分、部屋や艇庫を広くしたり、設備や収納家具を充実し、予算の有効活用を図りました。
ゆるやかに仕切られゆるやかにつながる空間
内部にはルーバー状の仕切りや中空ポリカの引戸など、透過性のある間仕切りや建具を多く使用しました。部屋を壁によって分断するのではなく、ゆるやかに仕切り、つながりのある空間にすることで、部員がお互いに活動の様子が見え、コミュニケーションを図ることができるようにと考えました。
豊かな周辺環境と内部空間をつなぐ開口部デザイン
釜房湖が一望できる気持ちのよい食堂の全面開口、半透明の屋根で光溢れる中央階段、風景を切り取るランダムに配置された窓の艇庫など、各場所の使い方と周辺環境とのつなぎ方に呼応した開口部デザインとしました。
自然景観との調和の中に部員たちの生き生きとした活動を浮かび上がらせる
建物外観は機能的でシンプルな立方体で、鋼板を陰影のある段葺きにしました。色は黒とし、釜房の自然豊かな風景に調和させることを意図しました。内部は対比的に白で統一することで、光を反射して明るい空間にするとともに、建築が背景となり部員たちが活動する様子を浮かび上がらせ、輝いて見せ、その生き生きとした活動をおおらかにつつみこむようにと考えました。
(三浦高史)
施設概要
- 場所
- 宮城県川崎町
- 用途
- ボート艇庫
- 竣工年月
- 2014年4月
- 延べ面積
- 700㎡
- 構造
- 軽量鉄骨造
- 階数
- 地上1階