長井ダム管理庁舎・艇庫
周辺環境と呼応した凛とした存在
ながい百秋湖(長井ダム)は、置賜野川の平野地区に多目的ダムとして建設されており、本施設はダムの管理庁舎と艇庫の計画です。
景観性
直線を基調とした簡潔なデザインで、基壇部分はダム堤体と呼応した杉板型枠のコンクリート打放し、2階は深みのある表情をもつリン酸処理鋼板を選択しています。
緑の季節には主張しすぎることなく周囲になじみ、冬の季節には純白な風景に2階部分が凛とした表情で佇む、自然景観と周辺景観に呼応したデザインとしています。
機能性
ダム堤体・ダム湖の視認性を最優先とし、管理事務室は2階に設け、1階の一般開放ゾーンと明快な区分となるよう計画しました。視認性が要求される諸室には開口部を大きくとり、メリハリをつけることで変化のある表情としています。
地域性
2階部分をオーバーハングさせることで雁木空間(ピロティ)とし、屋外機置場や車庫の庇として利用することで形態と地域性の整合を図っています。また、寒冷多雪地であることを考慮し、外断熱工法を採用しています。
(岩根 敦)
施設概要
- 場所
- 山形県長井市
- 用途
- ダム管理庁舎・艇庫
- 竣工年月
- 庁舎:2009年
艇庫:2010年
- 延べ面積
- 庁舎:688.08㎡
艇庫:225.72㎡
- 構造
- RC造
- 階数
- 2階建
受賞歴
- 2007年
- 平成19年度 東北地方整備局 部長・事務所長表彰 優秀業務施工会社
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