みやこ斎苑
モールがつなぐ葬送空間
火葬場は葬送行為と平面計画が密接に関連する施設です。
「告別」から「待合」そして「収骨」という葬送行為の場をスムーズにつなぎながら、故人の冥福を祈る静謐な空間をはさみ、管理者の動線が交差しないように分離することが求められます。そこで「告別棟」「待合棟」「収骨棟」と、建物を行為毎にに明快に分節し、それらを「モール」でつなぐ計画としました。
3つの分節は軒先のラインとして現れ、緊張感のある外観をつくります。分節により現れる「隙間」は中庭として人の心を癒してくれる「やすらぎ」をもたらします。中庭のモチーフとして、海や川など「宮古らしさ」を取り入れ、地域に調和した施設づくりを行いました。
(杉本光司)
施設概要
- 場所
- 岩手県宮古市
- 用途
- 火葬場
- 竣工年月
- 2007年2月
- 延べ面積
- 2,196㎡
- 構造
- RC(一部SRC) 上部S造
メディア掲載
- 現代日本の建築家(2010年6月)
受賞歴
- 2009年
- ㈳日本建築家協会 優秀建築選2009