ケアホーム「いちいの杜」
計画地は宮城県富谷町の七ツ森を遠景に望む閑静な住宅街の中にあり、T字路にはさまれた北下がりの敷地です。建物は9床の認知症グループホームと4床の自立支援法に基づく障害者グループホームからなるケアホーム(共生型グループホーム)です。
「家」としての老人福祉施設
小人数の高齢者が集まって住まうグループホームにおいて、「施設」ではなく「家」と感じられるよう計画しました。建物は3.0mグリットの単純な構成とし、木造であるコストメリットを最大限に生かしつつ、中庭やテラス、廊下突当りに抜けを設けることで閉鎖的にならないような平面計画としています。断面は単純な片流れの屋根とし、ひとつ屋根の下で住まうイメージを具現化しています。
「木」が感じられるしつらえ
意匠計画は木のタルキやモヤを現しとすることで、木造らしい木のやわらかさが感じられる意匠としています。その他の仕上についても外壁のくし引き・ゆず肌の塗り壁や、和紙調クロス、窯変ボーダータイルなど、木になじむ素材感のある材料を選定しています。
(岩根敦)
施設概要
- 場所
- 宮城県富谷市
- 用途
- 福祉施設
- 竣工年月
- 2009年12月
- 延べ面積
- 484.99㎡
- 構造
- 木造 平屋建て