宮城県白石高等学校
歴史の継承、地域アイデンティティの創造
宮城県教育委員会の策定した「県立高校将来構想」の方針に従って、歴史ある白石高等学校と白石女子高等学校を統合して進学重視型の普通科と看護科を併設・再編し、同時に男女共学化しました。両校の敷地は白石城の埋蔵文化財包蔵地に位置、または隣接するため、近くの旧白石高校第二グランドに再編統合校新校舎を建設することになりました。
両校の歴史を互いに尊重・継承することを基本とし、白石を代表する高等学校としてのアイデンティティを創出することを大切にし、計画を進めました。そのため、県、先生方との対話や、ワークショップ・アンケート等を通しての生徒たちとの対話を大切にし、本当に必要なものを一緒に考え、汲み取る努力をして計画に反映しました。
計画地は白石城近くの国道と住宅地に挟まれた高校としては狭小な敷地であり、周辺環境に配慮しながら、コンパクトな構成とする必要がありました。200mトラックの校庭を南側に配置し、モール上のひろば(ストリート)や中庭を適切に配置することで、採光や通風を確保し、コンパクトながら豊かで良好な学習環境の創出を図っています。
この高校では特に自習のための空間が重要であることから、対話を通して、さまざまな場所に自習スペースを確保したこともひとつの特徴です。
(江田紳輔)
施設概要
- 場所
- 宮城県白石市
- 用途
- 高等学校
- 竣工年月
- 2010年2月
- 延べ面積
- 16,124.48 ㎡
- 構造
- 鉄筋コンクリート造
- 階数
- 地上4階
メディア掲載
- 近代建築(2010年9月)