東北公済病院「菜の花保育所」改修工事
制約の多い改修を丁寧な仕事で「豊かなこどもの居場所」をつくる
プロジェクトは東北公済病院の事業所内保育所の移転でした。建て替えに伴い解体することとなった既存管理棟1階にある保育所を、近隣にある病院の別施設(健診センター・看護師宿舎)の4階1フロアを全面改修し、移転しました。
看護師宿舎(1Kタイプ)の改修であったため、界壁となるRC壁の開口制限や階高の制限、下階の健診センターを使いながら工事を行うなど改修ならではの様々な制約があるなかで、こどもたちの生活空間がより豊かでより安全となるように計画しました。
平面はRC壁の開口制限を逆手に取り、玄関・遊戯室でこどもを受け入れ、園庭側の縁側テラスから各室にアプローチすることで、動線が集約され目の行き届きやすい計画としました。断面は床上排水のための床上げや梁型による配管ルートの干渉など設計段階から丁寧に検討・検証を行い、こどものスケールにあわせた天井高でメリハリのある空間としました。また、素材はビニルクロスや塗装仕上げなど汎用品でありながら、こどもたちの活動の背景となるよう、やさしく落ち着いた色彩計画としました。
(岩根敦)
施設概要
- 場所
- 仙台市青葉区
- 用途
- 保育所(認可外保育所)
- 竣工年月
- 2014年1月
- 延べ面積
- 校舎:282.57㎡
- 構造
- RC造
- 階数
- 地上8階のうち4階部分を全面改修