ケアハウス「いちいの風」
集まって住まう「大屋根のいえ」
ケアハウスいちいの風は七ツ森を遠景に望む閑静な住宅街の中に建つケアハウスです。
自立度の異なる2ユニットのケアハウスと居宅介護型小規模多機能施設からなる木造平屋の建物で、3つの居間を中庭を取り囲むように配置し、それぞれの雰囲気が感じられる「みんなの家」として計画しました。
建物は3.0mグリットの単純な構成とし、木造であるコストメリットを最大限に生かしつつ、中庭やテラス、廊下突当りに抜けを設けることで閉鎖的にならないようにしています。
断面は単純な緩勾配の切り妻の屋根とし、ひとつ屋根のもと住まうイメージを具現化しています。
また、周辺の木造2階建ての住宅に比べ圧倒的に大きいこの建物を平面的に分節する、周辺住宅よりも高さを抑えることで、周辺住宅になじむよう配慮しています。
木のタルキやモヤを現しすることで、木造らしい木のやわらかさが感じられる意匠としています。
その他の仕上についても外壁のくし引き・ゆず肌の塗り壁や、和紙調クロス、窯変ボーダータイルなど木になじむ素材感のある材料を選定しています。
(岩根敦)
施設概要
- 場所
- 宮城県富谷市
- 用途
- 福祉施設
- 竣工年月
- 2012年4月
- 延べ面積
- 延床面積:846.18㎡
- 構造
- 木造
- 階数
- 平屋