プロジェクト

養護老人ホーム「ひばり園」

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村落のような老人施設

 本プロジェクトは町内にある旧ひばり園建物の老朽化に伴い、美里町(旧小牛田町)の整備する駅東地区の生活支援ゾーンに計画されました。隣地には同時期に特別養護老人ホームや地域交流センター等が整備され、将来的には地域福祉事業の中核となるエリアです。

木造の老人福祉施設
 設計当初から、多くの高齢者が生活するこの建物は、生活する人の「家」でなくてはならない、そのためにも木造で計画する方針でしたが、老人福祉施設の補助要件から準耐火構造にしなければならず、できるだけ木造のよさを活かしながら、耐火要求をクリアするために燃え代耐火構造等の工夫をしています。

「家」「集落」としての建物構成
 建物は入居者が生活する7つのユニット、24時間のケアステーションが配置された生活管理指導宿泊棟(ショートステイ)、事務管理スペース、厨房、集会室等がある事務管理棟から構成されています。
 生活空間であることから、建物全体を1つのボリュームとしてではなく、できるだけ“ひと”のスケールに合わせるために分節化して構成しました。そのため施設全体は統一感が図られながら、いくつもの「家」が集まった「集落」のような外観になっています。

 各建物間の外部空間は単なるスキマではなく、内部と等価に扱われた外の生活空間としてデザインしています。できるだけ内部と外部が連続して使われるように注意深く中庭、路地空間を配置したため、外部を歩いていてもちょうどよいスケールの建物と外部空間が連続して連なり、心地よい空間になったと感じています。

 また、各入居者の個室からリビング、建物内部から施設内の外部空間、そして施設から隣地特別養護老人ホームとの間のパブリックなコミュニティ・パスへと空間に連続性を持たせ、入居者のアクティビティが自然と広がるような空間構成を意図しました。

(江田紳輔)

施設概要

場所
宮城県美里町
用途
福祉施設
竣工年月
2006年5月
延べ面積
2,984.27㎡
構造
木造 平屋

メディア掲載

  • 現代日本の建築家(2009年5月)

受賞歴

2008年
㈳日本建築家協会 優秀建築選2008