一関市立(旧花泉町立)花泉小学校
この花泉小学校の設計では、多様化する学習方法と児童の生活に対応できる、ゆとりある空間の創出という点を設計の中心テーマに据え、新しい興味ある空間を実現させています。
全体構成は、校舎群を一つの小都市としてとらえ、イベント広場・お遊び広場としての役割を持つ中庭空間を中心に位置付け、昇降口・多目的ホール・コモンホールなどの人の集まるスペースや廊下・階段等の共通空間をその周りに集めるとともに、それを囲むように普通教室群・管理室群・特別教室群・体育館群の4つのブロックを位置付けました。
また、普通教室の構成について、私たちは多様化する学習方法にスムーズに対応できるような新しい考え方を提案しています。教室とワークスペースとの間の間仕切を取り払い、1学年2クラスの間の壁を解放可能とし、1学年=2クラス約60人に対応する16m×12mのオープンな教室を作り出すものです。このオープンな教室は、①1クラス単位の一斉授業、②1クラス内でのグループ学習やオープン学習、③2クラス=1学年単位での合同授業やオープン学習等、幅広い学習形態を可能にしています。
施設概要
- 場所
- 岩手県一関市花泉
- 用途
- 小学校校舎・体育館
- 竣工年月
- 1988年2月
- 延べ面積
- 3,510㎡
- 構造
- 鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造
- 階数
- 地上2階
受賞歴
- 1991年
㈳文部施設協会 文部大臣奨励賞
㈳日本建築学会 作品選集