プロジェクト

一関市立(旧大東町立)大東中学校

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 本計画地は、周囲を美しい山並みで囲まれた、風光明媚な小高い丘の上に位置します。本計画では、この伸びやかな景観が生徒の心身の発育に大きく貢献するものと考え、人と自然の調和のとれた、21世紀に向けた新しい教育を実現する施設となる様に、以下の点に配慮しています。

1.地域の景観と調和した施設づくり
 大東町の歴史・風土・伝統を継承し、地域固有の景観に溶け込んだデザインで、生徒や地域住民の誇り(シンボル)となるよう計画します。これは、生徒のみならず地域住民の心の拠り所として、「ふるさと意識」の高揚につながり、地域に対する誇りや気概を高める事を意図しています。

  • 周囲に威圧感を与えず、また居室の接地性を高めるために、建物ボリュームを低く抑える。
  • 地域の風景に溶け込み、親しみあるデザインとなる様に、勾配屋根や木の空間で全体をまとめる。

 

2.ゆとりある学習環境の創出
 「豊かな環境を育み、健やかな身体を育て、学習意欲の向上につながる」機能・環境整備をします。学校は教育の場であると共に、生徒が一日の1/3の時間を過ごす生活の場でもあります。従ってこの「学習環境」と「生活環境」をストレスなく両立させる事が重要であると考えます。そこで、2002年から始まる新学習指導要領に対応した、「自ら学ぶ力」を引き出す環境を計画します。

  • 図書室やコンピュータ室などをラーニングセンターとして整備し、さらに各学年のオープンスペースを隣接させた、連続性のある構成で学習環境の充実を計る。
  • 各教室に中庭の風景を採り込み、採光や通風に配慮したり、木を使った柔らかい空間とするなど、自然を活かして生活環境の充実を計る。

 

3.地域社会と一体となった施設づくり
 活きた「人づくり」は、学校教育だけでなく、地域との幅広い交流活動から生まれると考えます。従って学校をコミュニティの核として位置付け、施設の社会開放を前提として計画します。そのために、施設の管理・運営が容易となる構成とします。

  • 計画の過程から、地域住民に参加して頂き、幅広い意見を反映させると共に、計画を充分理解してもらい竣工後の運営に役立てる。
  • 誰でも通り抜けできる構内通路(モール)やイベントに利用できる交流ひろばなど、開かれた学校づくり自然を活かして生活環境の充実を計る
  • 施設の管理・運営が容易となるように、開放ゾーンと非開放ゾーンに明確に分ける。

施設概要

場所
岩手県一関市大東町
用途
中学校
竣工年月
2001年12月
延べ面積
校舎:3,746㎡
体育館:1,362㎡
構造
RC造(一部小屋組S造)

受賞歴