陸前高田市民文化会館「奇跡の一本松ホール」
まちとつながるヒューマンスケールな活動空間が連続するホール+公民館
東日本大震災で被災した市民会館と中央公民館を、災害復旧事業で複合施設として整備しました(NTTファシリティーズ東北支店とのJV)。
隣地であるイベント広場、川原川公園を結ぶメインロードに対し、公民館やホールの多彩な表情を見せて、商業施設、図書館、市立博物館等周辺の「賑わいの中心となる施設とのつながり」「歩いて楽しくなるような街並みの連続」を演出しています。
ヒューマンスケールな活動空間
・中庭をイベント広場に向かって開いた配置として、イベント広場やまちの賑わいを中庭に運びます。
・まちに対して諸室での活動を見せることで、まちに活気をあたえます。
舞台と客席が一体となって創造するホール空間
・ホールの1階席はラウンド状に座席を配置し、2階席も立体的に1階席を囲むように配置することで、全体的に一体感のあるホール空間としました。
・コンサートや演劇など多様な演目に対して対応可能な舞台設備・音響設備を計画しました。
まちの顔として人々を迎え入れるシンボリックな外観
・広場側に長い庇を設けることでまちに来た人々を迎え入れるような、正面を感じられる外観としました。
・フライタワーの大きなボリュームを庇や低層部分により分割したデザインとすることで、まちに対する圧迫感を低減させました。
使いやすさ・メンテナンス・省エネ・バリアフリーを考慮した施設計画
・コンパクトな動線計画により運営を簡素化し、利用者が使いやすい施設としました。
・メンテナンス・更新のしやすい動線計画、仕様とすることでランニングコストの削減に配慮しました。
・陸前高田の気候を生かし、自然採光・自然換気を利用することで、照明・換気・空調エネルギーを削減し、省エネに貢献する計画としました。
・バリアフリーを考慮した動線計画・サイン計画を備えた陸前高田市の掲げる「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」を支える施設です。
(三浦高史+小林誠)
施設概要
- 場所
- 岩手県陸前高田市
- 用途
- 文化施設
- 竣工年月
- 2020年2月
- 延べ面積
- 3,591㎡
- 構造
- RC造一部W造及びS造
- 階数
- 地上3階
メディア掲載
- 東北ジャーナル(2020年5月)