仙台市立東六番丁小学校
150年の歴史を継承する地域のシンボルとしての校舎
仙台市中心部における小学校の改築プロジェクトです。敷地は宮町通り及び国道45号とJR東北本線に3方を囲まれた狭小地であり、校庭には樹齢300年超のエドヒガンザクラ(仙台市保存樹木)が地域のシンボルとして存在していました。「開校150年を迎える東六番丁小学校と地域のつながりの継承」を目標に、敷地条件を丁寧に読み解きながら設計を行いました。
不整形な校舎による効率的な敷地の使い方
道路・JR線路・既存建物といった周辺環境の条件の他、地域からのエドヒガンザクラへの視線の抜けによって新校舎の形状を決定しています。各面によって表情が異なる校舎をバルコニーの白いラインがリボンのようにまとめることで、一体感のある小学校を計画しました。また、校舎/屋内運動場/プール/児童館を合築・集約化したコンパクトな校舎によって、既存の校庭より広い大きさの校庭を確保しています。
周辺環境に対応したゾーニングによる豊かな学習環境の整備
宮町通り側に地域開放のための部屋や多目的スペースを配置しています。校庭に面する普通教室は東向きの配置とすることで、朝の爽やかな日差しを取り込みつつ午後の西日は遮るようにしました。JR線路に近い部分は特別教室のゾーンとすることで、普通教室への騒音を和らげる計画としています。さらに、校舎中心部には階段と一体の吹抜けを設け、廊下への採光確保や上下階のつながりが意識できるようにしました。
学校生活が楽しくなる仕掛け
各階にはアクセントカラーを配色しています。1階は桜色、2階は葉桜色、3階は紅葉、4階は枝越しに見える空の色をイメージしました。アクセントカラーがあることで自分がいる階を認識しやすくなったり、進級による階の移動が楽しくなる計画としています。また、校舎内部は積極的な木質化を行っており、廊下天井のルーバーや階段手すりのディテール、吹抜け壁の乱尺張りなど…木が様々な表情を見せるようにしました。屋内運動場の屋根架構はクロス梁と方杖で構成することで部材寸法を小さくし、繊細かつダイナミックな空間としています。
斎藤拓也+犬飼崇典+門脇悠
施設概要
- 場所
- 仙台市青葉区宮町1丁目2−1
- 用途
- 小学校
- 竣工年月
- 2024年8月
- 延べ面積
- 7,432.73㎡
- 構造
- RC造
- 階数
- 地上5階