宮城県気仙沼向洋高等学校
水産都市の復興シンボルとして地域の産業を担う人材を育成する学習・教育環境
新校舎は東日本大震災の災害復旧事業として、気仙沼市内の津波到達区域から外れた約6haの敷地に建設されました。被災した24施設の機能を整理し、効率的で使いやすいように校舎棟・実習棟・生徒会館棟・体育館棟の4棟と付属棟に集約しています。
気仙沼向洋高校の教育目標「個性と創造性の伸長を図り、豊かな人間性を育むとともに、専門的な知識と技術を習得させ、時代の進展に柔軟に対応できる人間を育成する」を実現させるために、「独立性」と「連携性」を両立する建築を計画しました。
3つの専攻科、6つの類型を有する実業高校であることから、実習棟は3つのボリュームに分節し、必要な機能が確保された独立性の高い実習環境を確保することで、実習に集中でき、生徒の個性や創造性を育む環境づくりを目指しました。外観は「研究所」や「工場」のような、実践の場の雰囲気を感じさせるデザインを意図しました。
校舎棟と実習棟の連携性を高めるため3つの中庭を介して連結する構成としており、普段から実習環境が身近に感じられ、自分と違う専攻科や先輩・後輩の活動の様子が見えることで交流が生まれ、豊かな人間性を育む場になることを願います。
(三浦高史+千葉 遥(元スタッフ))
施設概要
- 場所
- 宮城県気仙沼市
- 用途
- 高等学校
- 竣工年月
- 2018年6月
- 延べ面積
- 13,463.64㎡
- 構造
- RC造一部S造
- 階数
- 4階
メディア掲載
- 建築ジャーナル(2021年1月)
- 近代建築(2019年7月)