(仮称)富谷宿観光交流ステーション(とみやど)
これからの富谷宿100年を描くまちづくり拠点整備
宮城県富谷市の観光交流施設です。昨年で開宿400年を迎えた富谷宿に、これからのまちづくりの拠点となり、かつて宿場町として栄えた歴史・文化を継承する施設を整備するためデザインビルド形式のプロポーザルが行われました。そこで私たちが選定され設計を行うことになりました。
敷地はかつて内ヶ崎醤油店があった場所で、ここには富谷宿の偉人でもある、内ヶ崎作三郎の生家も残っていました。南北に高低差のある土地に5棟ほどの建物が残っており、一部は解体し蔵や生家などの重要な建物は改修することで、最終的には新築・改修建物を含め、6棟の建物が敷地を南北に貫く中央の通りに顔出しをする形となりました。
南北にわたって高低差がある敷地のため、緩やかに傾斜をつけつつスロープや階段などで高低差の解消を図り、バリアフリーにも配慮した計画としました。
北側のしんまち通りには大きな門を構え、隣には改修したカフェが通りに顔を出しています。内ヶ崎作三郎の生家はインフォメーション機能を持った歴史伝承館としました。その他、新築のチャレンジ館・イベントスタジオ、改修した蔵には地元のお店が入り、施設全体の活気づくりに寄与しています。施設内には屋外ステージも整備し、今後はイベントに限らず多様な使われ方を期待しています。また、敷地内には醤油樽のオブジェを配置しています。これは、この土地がかつて醤油店であったため多くの醤油樽が保管されており、それらを活用しストリートファニチャーとして転用することで、この施設のアイコンとなることを期待しました。
富谷宿はコロナの風に煽られ昨年のオープンは叶わず、今年の10月にオープンを迎えることとなりました。オープン後は多くの方に足を運んでいただき、既に富谷宿のまちづくり拠点として機能し始めていることを心から嬉しく思います。これからも地元の方々と施設に訪れる多くの人々が交流し、まちづくりの拠点として成長し続けることを願っております。
江田紳輔+本間亜門
施設概要
- 場所
- 宮城県富谷市富谷新町
- 用途
- 文化施設・商業施設・その他
- 竣工年月
- 2020年9月
- 延べ面積
- 630.31㎡
- 構造
- W造
- 階数
- 地上2階