いいたて村の道の駅 までい館
飯舘村は原発事故により全村避難を余儀無くされていましたが、一部の帰還困難区域を除き、平成29年3月31日をもって避難指示が解除となりました。避難指示の解除後の帰村時の日常の生活環境の利便性向上のための地域福祉拠点として、村の基幹産業である農業復興のために「花卉」をキーワードとした産業復興、雇用創出を図る拠点として整備されました。
飯舘村は、飯舘流スローライフ「までいライフ」を提唱しており、そのような暮らしの一部として溶け込める空間が求められました。
(「までい」とは「手間隙を惜しまず」「丁寧に」「心をこめて」「つつましく」といった意味の方言。)
復興のシンボル「花カゴ」の屋根
これからの飯舘村の新たな産業と雇用の柱となる「花卉」を、復興のシンボルとして建築に取り入れたいと考え「花カゴ」をモチーフとした屋根を掛ける計画としました。籠型に組んだ架構の花カゴがある「までいホール」には、花カゴの中に花玉(生花)を吊るしています。農業復興の拠点にふさわしく、花と籠が一体となった空間を目指しました。木のふんだんに使用することで、木と生花の柔らかさや美しさを共に感じることのできる空間となっています。までいホールを、までい館に人を迎え入れるエントランス空間として位置け、建物の中心に据えることでホールを介して人の流れが生まれるように計画を行いました。
変化に対応する「柔軟な建築」
復興からむらづくり・むら育てへと変化する機能や役割に柔軟に対応できるように、トイレのような固定的な空間を端部にまとめ、他の部分は極力制約なく将来の間仕切変更に対応しやすいよう配慮しました。
(江田紳輔+佐藤俊文(元スタッフ))
施設概要
- 場所
- 福島県飯舘村
- 用途
- 道の駅
- 竣工年月
- 2017年6月
- 延べ面積
- 1,212.57㎡
- 構造
- 木造
- 階数
- 地上1階
メディア掲載
- 建築ジャーナル(2017年10月)
- 近代建築(2017年12月号)
受賞歴
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