開園して19年、仙台市内にあるYMCA南大野田保育園の園庭緑化プロジェクト、コロナ禍で存続が危ぶまれた中、3年越しで実現しました
よくある運動会メインの平らな園庭が、日々の遊びを豊かにする緑あふれる園庭になりました
ご縁があって計画アドバイザーとして参加しましたので、その概要をご紹介します
計画は先生たちとワークショップをしながら進めました
園庭改造に込めた願い(先生たちが考えたものです!!)は「子どもとして生きる」です
①子どもの友だちは自然界 水・土・虫・鳥・緑と共に過ごす
②健やかな心と体を育む
③世界と地球を見つめ、考え、行動する
SDGsにも通じる骨太で素敵な願いですね
途中で判断に迷った時はこの願いに立ち返り、計画を進めました
そして今回、事業費の一部に緑の羽根募金を利用させていただきました
幸運にも宮城県緑化運動70周年記念「広げよう!森林が育む豊かな心と学びの力推進事業」森林環境教育(木育)の場づくりモデル事業として採択され、事業費の一部を拠出して頂きました
時系列でその活動を報告します
2018年9月頃…? 自宅でのほほんと晩酌している時に妻に園庭改造を相談される…
当時の園庭の様子、先生たちがセルフビルドでつくった小さな築山と水路が見えます
2018年11月 職員アンケートを実施
園庭に対する思い・アイデアとともにケガや事故を心配する意見もありました
「子どもと一緒に」「手作りで」「経過や過程を共有」「柔軟に変えられる」など方向性を決める大切なキーワードがでてきました
2018年12月 職員ワークショップ(WS)
アンケートをもとに意見を整理、それをもとに行動や素材をグルーピングして何ができるか、どんなことが考えられるか、アイデア出しをしました
2019年3月 計画素案まとめ
WSのアイデアを実際の園庭に落とし込み、場所ごとにテーマを決めて計画しています
2019年4月 花壇づくりWS
「手作りで」を実行すべく、花壇・小さな畑をセルフビルド、縁石は園庭にあったレンガブロックを再利用し、「まずはやってみる、やってみてダメなら変えていく」を実践していきます
自分たちで作ることで「柔軟に変えられる」仕組みと気持ちも作っていきます
2019年度 年度途中での園長先生の異動もあり、なかなか合意形成が進まず…
2020年4月 新年度になり緑化推進委員会へ計画を打診するも、コロナの影響で募金活動が縮小、補助金自体が…?ここで計画は一次中断します…
2021年4月 緑化推進委員会より連絡があり、状況は急展開します
緑化計画を周年記念事業として行わないかと打診が!
幻の計画になるかと諦めかけていたこともあり、一も二もなく申し出を受けました
はじめの計画から時間も経過し異動で変わった先生方もいたので、あらためて現状を把握し、計画を練り直しました
2021年7月 先生方による園庭現況まとめ
自分たちで考えるきっかけとして、先生方に数グループにわかれて、以下のような調査とまとめをしてもらいました
2021年8月 計画素案まとめ、樹種選定
現況整理とともに出たアイデアを現地に落とし込みますそれをもとに植栽の専門家・東洋緑化さんから具体的な樹種選定と提案をしてもらいました
2021年11月 いよいよ園庭の緑化工事です
施工は東洋緑化さん、レンギョウのトンネルや隠れ家など、普段はあまり施工しない工事も…職人さんたちが試行錯誤しながら施工していきます
2021年12月 記念植樹式
工事が完成し、記念の植樹式が行われました
シンボルツリーのオリーブを植樹しました
みんないい笑顔です!
完成した園庭の一部をご紹介します
園庭の中央には築山があります
水場の近くにはどろんこ遊びができるスペース
一部の土をいれかえて泥だんごが作れるようにしています
今日は池になってますね(笑)
小さいこどもには小さな築山、大きくなったら大きな築山を目指します
既存のパーゴラにはツルが絡むようにキウイを植えました
牛乳パックの鳥かごに鳥たちがエサを食べに来ます
子どもたちはその鳥を図鑑で調べます
ブランコはいすを外してロープ登りに改造です
竹で組んだアーチはこれからレンギョウが成長するとトンネルになります
ジャングルジムのように登ってちょっと折れてしまいましたが、ご愛嬌(笑)
こちらはレンギョウの隠れ家、成長が待ち遠しいです
道路際のカシワやハーブはままごとや遊びに使います
小さいこどもの園庭はグラス植物やプランターでゆるやかに仕切ります
水やり姿がほほえましいですね
工事を伴う大規模な園庭緑化はここでひと段落ですが、これからは「子どもと一緒に」「手作りで」「経過や過程を共有し」「柔軟に変えていく」ことになります
それには手間もかかるし、時には危ないこともあるでしょう
それもすべて「子どもの健やかな心と体を育む」事につながると信じて進むことになります
私もその活動の行く末を微力ながらお手伝いし、見守りたいと思います