今年の研修テーマ「越後妻有の風土、食とともにアート作品を五感で感じてくる!」
秋の新潟(十日町市周辺)を車で巡りました。
私が大学生の時に研究室で参加していた、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が今年開催されることもあり、当時の思い出や新たな発見を探しに再び新潟の地を訪れました。
■越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)
研修の始まりは十日町駅から程近く、大地の芸術祭の拠点施設でもある「越後妻有里山現代美術」からスタート。
常設展示の他にカフェや温浴施設もあり、アートに触れながらゆっくりと過ごせる施設となっています。水盤を囲むような施設平面となっており、施設に入った瞬間に水盤が利用者を向かい入れ、回遊しながらアートに触れることができました。
■まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」
十日町駅から西へ30分程移動して、まつだいエリアの拠点施設でもある「農舞台」へ。
松代城までの約2kmの里山に約40点の作品が点在しており、里山を散策しながら様々なアートに触れることができるエリアです。
「農舞台」はオランダの建築家グループ・MVRDVが設計した施設で、宙に浮いたような外観、黒板だけでできた部屋、全面オレンジ色のトイレなど、私が学生の時に建築の楽しさや魅力を教えてくれた建築です。
■「最後の教室」
十日町市の山あいに位置する廃校となった旧東川小学校を舞台に「人間の不在」を表現した大規模なインスタレーション。薄暗い闇の中の無数の電球のある体育館、点滅する電球と鼓動のような音が響く廊下など、五感を刺激するアート作品でした。生徒がいなくなった学校に魂だけが残り、そこに人がいた記憶と影を感じられる不思議な空間でした。
■「Tunnel of Light」(清津峡渓谷トンネル)
研修の締めくくりとして、日本三大峡谷の一つに数えられている「清津峡」を訪れました。
清津川を挟んで切り立つ巨大な岸壁がV字型の大峡谷をつくり、流れる綺麗な清流と対比した風景は圧巻でした。
そんな特徴的な岩層を切る抜ける750mの歴史的なトンネルを再生した作品「光のトンネル」を体感してきました。
通路を進むに連れて変化する異なる色のライトと、トンネル沿いの各展望ポイントがリンクし、未知への好奇心とダイナミックな風景が通り抜ける人の心を刺激する作品でした。
最後に、20年振りに思い出の地を訪れてみて、改めて建築やアートのすばらしさを実感することができました。自然豊かで棚田の風景が広がる十日町市の周辺エリアに、行くところ行くところに沢山の人が訪れていました。
建築やアートが人々を惹きつけ、「その場所の持つ力・魅力」を引き出しているのだと強く感じました。
私も人の心を動かす活動、その場所にかけがえのない建築を今後つくっていければと思います。